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Metaverse

【2024年】飲食とホテル業界のメタバース事例9選!国内と海外の事例を分析

デジタル技術の進歩に伴い、飲食やホテル業界も新たな顧客体験の創出に挑戦しています。
その最前線にあるのが「メタバース」です。仮想空間を活用し、ブランドの世界観を体現する斬新な試みが次々と登場しています。

今回は、メタバースに参入した8つのブランドの事例を詳しく見ていきましょう。

【飲食とホテル業界】8つのメタバース事例を紹介!

1. Marriott Bonvoy:Fortniteで広がるホテルの世界

世界最大級のホテルチェーンとして知られるMarriott Bonvoyが、人気ゲーム「Fortnite」内に「Marriott Bonvoy Land」を展開しました。30以上のブランドと10,000を超える施設を持つMarriottならではの、多彩な体験が用意されています。


主な特徴:

  • 4つの代表的なホテルブランドをテーマにしたミニゲーム
  • ゲーム内でのポイント獲得が実際のホテル宿泊特典に直結

インタラクティブ要素:各ブランドの個性が光る

  • Moxy:プレイヤーが小道具に変身して隠れる「プロップハント」
  • Westin:ヨガマットやフィットネススタジオを駆け抜けるレース
  • W Hotel:音楽に導かれて迷路を抜け、屋上のDJパフォーマンスを目指す
  • Autograph Collection:ユニークなアイテムを探す部屋探索ゲーム

これらのゲームを通じて、各ホテルブランドの特徴や雰囲気を体感できるのが魅力。
さらに、ゲーム内での成果が現実世界のホテル宿泊特典に反映されるため、プレイヤーのモチベーション向上にも一役買っています。

2. Hilton:Paris Hiltonとコラボした「Slivingland」

高級ホテルチェーンとして世界中で愛されるHiltonが、人気プラットフォーム「Roblox」内で新たな挑戦を始めました。セレブリティのParis Hiltonとのコラボレーションによる「Slivingland」は、ブランドの魅力を若い世代にも伝える革新的な試みです。


主な特徴:

  • 没入感あふれるヒルトンホテルロビー体験
  • デジタルウェアラブルアイテムの獲得クエスト
  • 仮想ホテルロビーでの自由な探索

現実世界との連携:ロイヤリティプログラムとの融合

「Slivingland」での活動は、Hiltonのロイヤリティプログラム「ヒルトンオナーズ」と連動しています。仮想空間での体験が、実際のホテル利用時のステータスアップグレードやポイント獲得につながる仕組みは、オンラインとオフラインの境界を巧みに融合させた好例といえるでしょう。

3. Dave & Buster's:Robloxで広がるゲームの世界

「eatertainment」というコンセプトで知られるDave & Buster'sが、Roblox上に「Dave & Buster's World」を展開しました。食事とアーケードゲームを組み合わせた独自の魅力を、仮想空間でも再現しています。


主な特徴:

  • 複数ユーザーが同時に楽しめる多彩なゲーム
  • 仮想「Power Drinks」によるキャラクター能力アップ
  • オンラインプライズショップの設置

インタラクティブ要素:没入感あふれるゲーム体験

  • Gridiron BlitzとFull Tilt:仮想障害物コースに挑戦
  • Superball Dash:エキゾチックな場所を駆け抜けるボールレース
  • Zombie Survival:ゾンビアポカリプスを舞台にしたシューティングゲーム

これらのゲームは、実際の店舗で人気のアーケードゲームをベースにしており、Dave & Buster'sならではの楽しさを仮想空間で再現しています。さらに、仮想空間で獲得した報酬を実店舗で使用できたり、割引クーポンが提供されたりするなど、オンラインとオフラインの相乗効果を狙った施策も見られます。

4. Chipotle:Robloxで作る自分だけのバリトー

メキシカン風ファストカジュアルレストランチェーンとして人気のChipotleが、Roblox上でユニークな体験を提供しています。


主な特徴:

  • 「Burrito Builder」ゲームでバーチャルバリトー作り体験
  • プレイヤー自身が材料を選び、組み合わせる楽しさ
  • 獲得した「Burrito Bucks」で実店舗の食事と交換可能

このゲームを通じて、ユーザーはChipotleのメニューや食材について楽しみながら学ぶことができます。また、仮想空間での体験が実際の店舗利用につながる仕組みは、新たな顧客獲得や既存顧客のロイヤリティ向上に貢献しています。

5. Wendy's:メタバースで広がるファストフードの未来

世界第3位のハンバーガーファストフードチェーンであるWendy'sも、メタバースに参入しています。仮想レストランを通じて、ブランドとの新しい形の顧客エンゲージメントを模索しています。

具体的なインタラクティブ要素や現実世界との連携については詳細が明らかになっていませんが、ファストフード業界の先駆者として、今後の展開が注目されています。

6. PATRÓN Tequila:Decentralandで味わう高級テキーラの世界

プレミアムテキーラブランドのPATRÓN Tequilaは、分散型仮想空間プラットフォーム「Decentraland」でユニークな体験を提供しています。


主な特徴:

  • 「Summer Made Sensational: A PATRÓN Pop-Up Series」イベントの開催
  • バーチャルポップアップショップでの限定体験
  • 仮想空間での製品体験を通じたブランド認知度向上

高級アルコール製品の販売という特性上、現実世界との直接的な連携は難しいものの、ブランドの世界観や製品の魅力を仮想空間で表現することで、新たな顧客層の開拓や既存ファンとの絆を深める取り組みとなっています。

7. KFC:中国発のメタバース戦略

フライドチキンで世界的に有名なKFCは、中国市場を中心にメタバース戦略を展開しています。QQプラットフォームとRobloxでの仮想店舗展開は、デジタルネイティブ世代を取り込む狙いがあります。


主な特徴:

  • アバター用コスチューム、商品、「Chicken Coins」の提供
  • 仮想フード注文システム
  • ゲームやチャレンジへの参加機会
  • アバターのカスタマイズ機能

特筆すべきは、メタバースでの注文が実際の配達につながる仕組みです。また、仮想空間を通じて顧客フィードバックを収集するなど、マーケティング戦略としても有効活用されています。

8. McDonald's:メタバースへの大胆な一歩

世界最大のファストフードチェーンであるMcDonald'sは、メタバース関連の特許出願を行い、業界に衝撃を与えました。


主な特徴:

  • 仮想レストランと配達サービスの計画
  • 仮想注文から実際の配達へつなげる構想

具体的な実装はまだ計画段階ですが、McDonald'sのような大手企業がメタバースに本格参入することで、業界全体の動きが加速する可能性があります。

 

日本国内のホテル業界のメタバース活用事例

海外の事例に続いて、日本国内でもホテル業界がメタバースを活用した先進的な取り組みを始めています。
ここでは、日本のホテル業界におけるメタバース活用の背景や具体的な事例、そしてそこから得られるメリットについて詳しく見ていきましょう。

日本のホテル業界が直面する課題

  • 円安の影響によるインバウンド需要の増加
  • 深刻な人手不足
  • デジタル化への対応の遅れ
  • 地域活性化への貢献の必要性

これらの課題を解決する一つの手段として、メタバースの活用が注目されています。

 

ホテルプラザオーサカのメタバース活用事例

日本におけるホテル業界のメタバース活用の先駆的な事例として、「ホテルプラザオーサカ」の取り組みが挙げられます。

プロジェクトの概要

  • エピックゲームズの『フォートナイト』上に独自のメタバース空間を制作
  • 世界中のプレイヤーがホテル内を仮想的に訪問可能
  • ゲームやイベントを通じてホテルの魅力を体験
  • 2024年5月1日に「和牛鉄板パルクール」マップを公開

プロジェクトの背景

株式会社プラザオーサカは、地域に根ざした老舗ホテルとして、以下の目標を掲げてこのプロジェクトを開始しました。

  • ホテルの魅力を世界中に発信
  • 大阪・十三の文化を広く伝える
  • 「地元感」を新たな形で表現
  • 大阪万博2025に向けて国内外からの来訪者増加を目指す

「和牛鉄板パルクール」ゲーム

  • ホテルの外観や人気レストラン「鉄板焼逢坂」をモデルに制作
  • アスレチック要素を取り入れたゲーム性
  • 地域の非営利プロジェクト「淀壁」のイラスト展示
  • メタバース勉強会やeスポーツイベントの計画
  • 将来的な館内施設や周辺地域の仮想空間への拡張予定

「和牛鉄板パルクール」ゲームの特徴

  • 「鉄板焼逢坂」の店内が忠実に再現
  • 大迫力のお肉の視点体験
  • ゴール後に大阪・十三の街並みを背景にした記念写真撮影

>>>【マップコード】9469-5358-2150

日本のホテル業界におけるメタバース活用のメリット

ホテルプラザオーサカの事例から、日本のホテル業界がメタバースを活用することで得られるメリットは以下のようにまとめられます。

  • 世界中の潜在的な顧客へのアプローチが可能
  • ユニークな体験を通じたブランド認知度の向上
  • 地域文化や特色の効果的な発信
  • 若年層を中心とした新規顧客の獲得
  • 人手不足を補う新たな顧客接点の創出
  • 地域活性化への貢献

日本のホテル業界におけるメタバース活用の展望

ホテルプラザオーサカの取り組みは、日本のホテル業界におけるメタバース活用の先駆的な事例といえます。
今後、以下のような展開が期待されます。

日本のホテル業界におけるメタバース活用で期待されること

  1. 他のホテルや旅館への波及
  2. 地域観光産業全体でのメタバース活用
  3. インバウンド観光客向けの仮想体験の充実
  4. AIと連携したパーソナライズされたサービスの提供
  5. 実際の宿泊予約やサービス利用との連携強化

日本のホテル業界がメタバースを活用することで、従来の課題解決だけでなく、新たな顧客体験の創出や地域活性化にも大きく貢献できる可能性があります。
今後も、テクノロジーの進化とともに、より一層革新的な取り組みが生まれることが期待されます。

 

まとめ:メタバースが切り開く新たな顧客体験

これらの事例から、飲食・ホテル業界各社がメタバースを通じて、以下のような効果を狙っていることが分かります。

飲食・ホテル業界にメタバースを活用するメリット

  • ブランドの世界観をより深く伝える
  • 若年層を中心とした新規顧客の獲得
  • 既存顧客のロイヤリティ向上
  • オンラインとオフラインの相乗効果創出
  • 新たなマーケティングデータの収集

メタバースは単なるトレンドではなく、顧客とブランドの関係性を根本から変える可能性を秘めています。
今後も各社の取り組みに注目し、業界全体がどのように進化していくのか、見守っていく必要があるでしょう。

飲食・ホテル業界に限らず、あらゆる業種がメタバースを活用した顧客体験の創出に挑戦しています。
私たち消費者も、こうした新しい体験に積極的に触れることで、ブランドとの新たな関係性を築いていけるかもしれません。

メタバースが切り開く未来に、大いに期待が高まります。

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