ゲームプラットフォームとして急成長を遂げるRobloxとFortniteについて、両プラットフォームの特徴と可能性を詳しく解説します。
Robloxの躍進とブランド展開の現状
Robloxは若年層向けのプラットフォームとして、ここ2年で目覚ましい成長を遂げています。2023年第4四半期には1日あたりのアクティブユーザー数が7,150万人を突破し、前年比20%という驚異的な成長率を記録。この成長に伴い、WalmartやAdidas、さらには高級ブランドのLamborghiniやBurberryまでもが、このプラットフォームでのマーケティング活動を積極的に展開しています。
FortniteもUGCプラットフォームとして進化
一方のFortniteも、ブランドマーケティングの新たな舞台として注目を集めています。HUGO BOSS、Lunchables、Ralph Lauren、Marriottといった様々な業界のブランドが、Fortnite Creativeモードで独自のブランデッドアイランドを構築。さらに、iHeart MediaやNikeのように、RobloxとFortniteの両方でマーケティング展開を行うブランドも登場しています。
2023年11月にはFortniteの月間アクティブユーザー数が1億人を突破。LEGO Fortniteモードの追加や、Disneyからの15億ドルの投資を獲得するなど、プラットフォームとしての魅力を高めています。
ビジネス参入するならどっち?RobloxとFortniteの特徴と成功のカギ
Fortniteは平均プレイ時間の長さとインタラクティブ要素が重要
Fortniteでの成功の鍵について「エンゲージメントの高いインタラクティブな体験を創出することが重要」と考えます。
具体的な成功指標としては、以下の要素が挙げられます。
- 平均プレイ時間の長さ
- リーチ数とインプレッション数の達成度
- 翌日の再訪率
Fortniteはゲームグラフィックの解像度が高いので、「リアル」の要素を活用したい場合に最適です。
ただ、ディズニー(Epic Gamesの親会社)がFortniteゲームに本格参入すれば、アニメ調のゲーム制作が可能になる場合も考えられます。
Robloxは独自アイテム(UGC)やゲームのループ(反復)プレイ要素が重要
一方、Robloxでの成功要因については、Fortniteと共通する部分も多いものの、以下のような独自の特徴があるとしています。
- ソーシャルインタラクションの規模
- UGCアイテムとマネタイズの仕組み
- コアゲームループの設計方法
また、Robloxはゲームグラフィックの解像度の観点でも、「リアル」というよりアニメ調のポップな世界観が目立ちます。
ブランドマーケティングにおける両プラットフォームの違い
ブランドマーケティングの観点から見ると、両プラットフォームには多くの共通点があります。
しかし、最も大きな違いは、コアとなるオーディエンスとそのプレイスタイルにあるといいます。
Fortniteはバトルロイヤルゲームとしてスタートし、徐々にUGCプラットフォームへと進化してきました。一方、Robloxは当初から教育用の物理エンジンツール/UGCプラットフォームとして開発されました。この違いが、ユーザーの期待するゲーム体験や、デモグラフィックの違いにつながっています。
プラットフォーム選択のポイント
ブランドがどちらのプラットフォームを選択すべきかについて、Herrigerは以下の3つの要素を考慮することを推奨しています。
- ターゲットとなるオーディエンス層
- キャンペーンの目的
- 構築したい体験の性質
これらの要素を事前に明確にすることで、適切なプラットフォームの選択が可能になるとしています。
両プラットフォームの活用と今後の展望
RobloxとFortnite、どちらもメタバース参入を検討する価値があるプラットフォームでり、それぞれを活用すれば異なるユーザー層とプレイスタイルにリーチできます。
Robloxは若年層で創造性とユニークなゲーム体験を重視するユーザーが中心である一方、Fortniteはやや年齢層が高く、アクションや競争的なゲームプレイを好むユーザーが多いとされています。
ただし、両プラットフォームとも、Robloxは年齢層を上げる方向に、Fortniteは下げる方向に戦略を進めており、今後はさらなるオーディエンスの重複が予想されます。
そのため、同時参入によるワールドの使い分けや、相互作用のアプローチが重要になると考えられます。
まとめ|メタバースの展望と未来
両プラットフォームの今後の展開について、特にeコマースやAI技術の統合に期待が寄せられます。
特にFortniteについては、カスタマイズオプションの拡充や、車両、武器、キャラクターなどの独自開発の自由度向上に注目しています。